犬アトピー性皮膚炎の新しい治療

こんにちは。今日のブログは、動物の皮膚科に力をいれている獣医師より、アトピー性皮膚炎のわんちゃんの治療薬のご紹介です。

今年春から販売となった、ゼンレリア錠というお薬です。

まず犬アトピー性皮膚炎とは・・・

環境中の物質(ハウスダストやカビ、花粉など)が皮膚にふれるとアレルギーが起こり、皮膚のかゆみや炎症が起こる病気です。
人のアトピーと似ているところもありますが、まだ不明な事も多く、症状や血液検査だけで診断できる病気ではありません。
若い頃から発症し、毎年夏に悪化する子が多い、慢性的な皮膚病なのでうまく付き合っていく必要があります。
遺伝的要素が強いため、柴犬、フレンチブルドッグ、ウェスティなどに多くみられます。
よくある症状がこちら↓

以前のブログにも書きましたが、毛がはえているわんちゃんは人のように塗り薬だけで治すのは難しいため、内服薬、注射薬、外用薬、スキンケア、サプリなどを使い分けて治療します。(詳しくはこちらをご覧ください)

その選択肢のひとつに、今回ご紹介するゼンレリア錠(イルノシチニブ)という内服薬が加わりました!

この薬はアポキル錠(オクラシチニブ)と同じ分類の分子標的薬(JAK阻害薬)で、アレルギーの時に皮膚から痒みのシグナルが伝達される経路を遮断してくれる作用があります。
アポキルとの一番の違いは作用持続時間が長く、投与回数が1日1回という点です。
当院ではアポキルを飲んでもらっている子がたくさんいるので、1日2回飲まないと痒みがおさまらない子にまず使ってもらったところ、ほとんどの子が1日1回の投薬で同等、またはそれ以上の効果を得ることができました。
その後も初めてアトピーが診断されてお薬を使う子や、注射薬など別の治療から切り替える子も増えています。
まだ使い始めたばかりなので副作用の現れた子はいませんが、アポキルと同じく嘔吐(8.3%)や下痢(4.1%)などがあるようです。また長期使用する場合、白血球減少などが起こることがあるので定期的な血液検査は必須です。

獣医療は日進月歩、アトピーのお薬はこの10年くらいでどんどん新しいお薬が出ています。それぞれの子に合うお薬やスキンケアをご提案しますので、ご相談あればぜひご来院ください。

この記事を書いた人

獣医師 伊村晶子
皮膚科認定の資格取得に向けて勉強中。子供たちに命の大切さを伝える活動もしています。ポックル動物病院も私自身も、動物と飼い主様のお力になれるようずっと成長し続けていきたいと思います。

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