爬虫類の食欲不振、原因色々…②

こんにちは、獣医師の蒲原です。寒いですね!蒲原家はヘビ達とフェレット達のためにもうすっかり暖房頼りです。

今回は爬虫類の食欲不振についてお話ししていきます。

前回は食欲不振分類
・原発性(Primary)
・二次性(Secondary)
・偽食欲廃絶(Pseudoanorexia)
のうち、原発性の食欲不振に関してお話ししました。

今回は二次性の食欲不振についてお話しします。

二次性の食欲不振とは、間接的な影響によりご飯を食べられないことです。
例えば、他の疾患に罹患していることで便秘や脱水が起こり、その結果ご飯を食べない、というような状態のことを指します。

例を挙げると肺炎で苦しい場合、ノミやダニの寄生により痒みがある場合、手術後や火傷、外傷等で痛みがある場合などがあります。痛みがある場合や症状が強い場合は精神的にもストレスが強く生まれるため、前回お話しした原発性の心因性食欲不振にも繋がります。爬虫類はストレスに弱いです。

二次性食欲不振の治療としては主に原発となっている病気を治療することで食欲の回復を目指します。また原発性の場合もそうですが、原疾患の治療中に体重減少が著しい場合は強制給餌もしくは補助給餌(アシスト)にて食餌を与えることがあります。強制給餌はチューブや器具等を使って胃まで食餌を強制的に送り込むのに対し、補助すれば自分で咀嚼や嚥下してくれる場合は、口の中に食餌を入れるだけの補助給餌を行います。

2年ほど前に一度紹介しているのですが、クリプトスポリジウム感染症に罹患したヘビちゃんも治療中は長らく食欲不振に悩まされました。
そのヘビちゃんは駆虫薬+整腸剤により下痢・吐き戻しが改善されたときには、補助給餌をしてあげるとご飯を食べてくれるようになっていました。

以上が食欲不振の原因分類2つ目 二次性食欲不振でした。残すは3つ目の食欲不振 偽食欲廃絶、また次回お話します。

この記事を書いた人

獣医師 蒲原(小島)
大学の時に行ったエキゾチックアニマルのイベントがきっかけでヘビが大好きになりました。実際にヘビを飼育することで、犬や猫に加え爬虫類や他エキゾチックアニマルの診療を幅広くしたいという想いがより強くなっていきました。
獣医師としてまだ駆け出しですが、精一杯勉強して多くの患者さんの助けになれるよう頑張ります。

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