2024年10月23日、我が家のバーニーズマウンテンドッグのぼたもちが亡くなりました。大型犬の平均寿命といわれる10才ちょうどでした。
ぼたもちとの出会いはポックル開業の半年前、札幌のご家庭で生まれたバーニーズ兄弟がいると聞いて会いにいきました。私にとって初めて飼う犬、小学生の頃から大型犬と暮らすのが夢だったので実際家にくるまで楽しみでたまりませんでした。
従順で甘えん坊なやんちゃ坊主、意外に臆病な面もある子でした。日中仕事で留守番のことが多く、帰宅すると喜びの鼻慣らしとともに飛んでくるぼたもち。散歩が何より大好き、なでられるのとごはんも好き。一桁だった体重はあっという間に30キロを超えて、沢山食べるし食べた分は出す。雪が大好きなのですが吹雪の中の散歩はつらく、ふわふわの長毛で家の中は毛だらけ、歩けなくなってからは階段を抱っこで上り下り、大型犬を飼うというのは、苦労もたくさんあることを知りました。
ぼたもちがきて1年後、2年後と息子たちが生まれて、ぼたもちはお兄さんになりました。子供にはイタズラなどせず、たたかれても股がられても怒らず本当に優しい子でした。
そして小学生になる頃には、息子たちがぼたもちの世話をするようになり、ごはんに散歩、うんちのお世話まで。食欲のなくなった最後の時まで長男の手からあげたフードだけは食べていました。
これまでぼたもちは皮膚病、関節疾患、腎臓病、脊椎疾患と病気と闘ってきましたが、最後は心臓腫瘍と獣医師としても学ぶことが沢山ありました。また病院にきた緊急輸血が必要なわんちゃんを何匹も助けてくれた優秀な供血犬でした。
亡くなる前日、突然呼吸が悪くなった時には心臓の腫瘍がピンポン玉ほどに膨れていましたが、本当に苦しそうだったのは約2日間。朝6時過ぎに家族が起きるのを待っていたかのように、みんなに撫でられながら息を引き取りました。医療としてやれることはやりきったけど、もう少し美味しいものあげれたら、もっと撫でてあげれたらなど考えてしまいました。息子たちも火葬するまで3日3晩、ぼたもちの隣で宿題をして、横に寝袋を持ってきて、それぞれの想いで最後の時間を惜しんでいるようでした。
10/26に火葬にいき、みんなで骨を拾って壺に入れました。大型犬がいなくなる喪失感は本当に大きなものでしたが、気持ちも少しずつ整理できこうして文章にすることができました。
ぼたもちと過ごした10年間を振り返り、一緒に山登りやキャンプなどおでかけもしましたが、ただいてくれるだけで日々の癒しになってくれていたことに改めて気づきました。日々犬の診療に携わる私としては、飼い主として動物の命と向き合う気持ちも学ばせてもらいました。また親として息子たちに命の尊さを教えてくれた先生としても大活躍でした。
ぼたもちが伊村家で過ごしたことが幸せだったかわかりませんが、私たち家族にたくさんの経験をさせてくれたぼたもちに今は感謝しかありません。きっと今頃天国で思い切り走りまわっていることでしょう。
みなさんもお別れの時に後悔がないよう、限りある動物との時間を大切にお過ごしくださいね!今日は悲しい話題にお付き合いいただきありがとうございました。
この記事を書いた人
- 皮膚科認定の資格取得に向けて勉強中。子供たちに命の大切さを伝える活動もしています。ポックル動物病院も私自身も、動物と飼い主様のお力になれるようずっと成長し続けていきたいと思います。
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