子犬の咳、それケンネルコフかもしれません

札幌も雪解けが進み、少しずつ春の気配が感じられる時期になりました。
寒がりな中村は、暖かくなるのが待ち遠しくてたまりません。
まだまだ寒い日も多いので、飼い主様も動物さんたちも体調を崩さないように気をつけていただきたいです!

さて、今回は、お迎え直後の子犬でよくみられる『ケンネルコフ(犬伝染性気管気管支炎)』ついてお話したいと思います。

■ ケンネルコフってどんな病気?

ケンネルコフは、犬の「風邪」のような呼吸器感染症です。
ウイルスや細菌が単独または混合感染することで引き起こされ、主に咳やくしゃみからの飛沫によって感染し、
ペットショップやブリーダー、多頭飼育環境など、わんちゃん同士が集まる場所で感染が拡大しやすい病気です。

特に、
• お迎えしたばかり
• まだワクチンが完了していない
• 環境の変化でストレスを感じている

そんな子犬さんは発症しやすい傾向があります。

■ 主な症状
• 乾いた咳や痰が絡むような咳
• 鼻汁
• 発熱
• 少し元気や食欲が落ちる
などが挙げられます。
わんちゃんの咳は分かりにくいことも多く、飼い主さんが「えずく」という主訴で来院されることもあります。
上記のような比較的軽い症状で済むことも多いですが、重症化すると肺炎を起こして命に関わります。

少し前に、当院に咳を主訴に来院され、ケンネルコフが疑われた子犬さんがいましたので、ご紹介します。

🐶症例は、
生後4か月のとてもかわいい柴犬ちゃんです。
ペットショップからお迎えして3日目になるが直後から咳とえずくような仕草があり、だんだん食欲も落ちてきたとのことで来院されました。

診察時にも咳がみられ、鼻水も出ており、体温は40.3℃でやや元気がない様子でした。
胸部のレントゲン検査では、気管支の炎症と軽度の肺炎を示唆する所見が見られ、血液検査ではCRPという、急性の炎症の時に上昇する数値が基準値よりかなり高くなっていました。

発生状況、症状、検査所見からケンネルコフを疑い、治療を開始。呼吸状態や症状の悪化があれば入院が必要ですが、幸い翌日には体温が下がり始め、お家でお薬が飲めそうな様子だったので、お家での内服治療を継続することにしました。
1週間後には咳がずいぶん減り、さらにその1週間後にはほぼ咳が出なくなり元気食欲も問題ないため、治療終了としました。

◾️お迎え直後はとくに体調に気をつけて!

子犬さんにとって、お迎えはとても大きな環境の変化です。
見た目は元気そうでも、思った以上に心身共にストレスを抱えている可能性があります。

✔ 咳が続いていないか
✔ 食欲・元気はあるか
✔ 熱っぽくないか
✔ 呼吸が荒くないか

など、少しでも気になる様子があれば、早めの受診をおすすめします。
お迎え直後はついつい構い過ぎてしまいがちですが、慣れるまでは疲れ過ぎないよう、しっかり休ませてあげることも大切です。またこの時期は特に、室内の温度管理も気をつけましょう。

ケンネルコフは、早めの治療でほとんどの子が元気に回復します。
新しい生活が楽しい時間になりますよう、私たちもサポートいたしますので、気になる症状がありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。

この記事を書いた人

獣医師 中村
獣医師 中村
出産を機に仕事から離れていましたが、また獣医師として動物と関われることになり、嬉しさと同時に身の引き締まる思いです。
動物と飼い主様の両方に寄り添った診療ができるよう、努めて参りますので、よろしくお願いいたします。

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