フェレットのリンパ腫

こんにちは、ずっと痛みを感じていた肩に水が溜まっていた獣医師の蒲原です。MRIを初体験しました、人間は無麻酔で実施できて良いですね。

今回は私が飼っているフェレットにリンパ腫が発生したのでそのお話をします。

こちらがフェレットのうなぎちゃん、3歳7ヶ月(リンパ腫診断時)、♂です。

麻酔前投与薬の投与直後、酸素BOX内で酸素化されている様子

臀部にやや脱毛があったため健診も兼ねてエコー検査を行ったところ、肝臓に20㎜程度の大きな腫瘤がありました。

胃の付近にあるリンパ節も腫脹しており、リンパ節転移も疑われました。その後絶食をした上で鎮静下腹腔内腫瘤穿刺(針で腫瘤を刺して、細胞を採材する検査)を行い、顕微鏡検査によりリンパ腫疑いと診断しました。

フェレットのリンパ腫はフェレットに好発する三大腫瘍のうちのひとつで、発生率は報告により差がありますがインスリノーマ22.3%、副腎腫瘍21.9%に次いでリンパ腫は16.1%となっています。

フェレットでは確立したステージ分類はありませんが、リンパ節転移の有無や複数臓器における腫瘤の存在の有無などにより重症度を判断していきます。

リンパ腫は基本的には外科手術ではなく抗がん剤を使用した化学療法を行います。化学療法なし・ステロイドの内服薬だけでの治療と比較し、生存期間の延長ができる可能性があります。

うなぎも化学療法を週に一度実施しており、薬剤によっては麻酔下で静脈内に投与します。静脈内に投与する際には静脈留置を設置します。その際毛刈りをしますが、高齢であったり闘病中のフェレットは毛が生えて来ないこともあります。

フェレットは若齢から健診をしっかり受ける事が大切です。気になる症状があればお気軽にご相談ください。

特にエコー検査は重要になります。血液検査、レントゲン、エコー検査をまとめて実施する場合は半日お預かり検査を推奨しておりますのでお電話にてご相談ください。

うなぎは今日も元気に頑張っています!

この記事を書いた人

獣医師 蒲原(小島)
大学の時に行ったエキゾチックアニマルのイベントがきっかけでヘビが大好きになりました。実際にヘビを飼育することで、犬や猫に加え爬虫類や他エキゾチックアニマルの診療を幅広くしたいという想いがより強くなっていきました。
獣医師としてまだ駆け出しですが、精一杯勉強して多くの患者さんの助けになれるよう頑張ります。

関連記事

  1. ペットをお迎えする前でもご来院下さい!

  2. フェレットの飼育に必要な物について

  3. たかが爪切り、されど爪切り

  4. フェレットに多い病気③

  5. エキゾチックペットの国際セミナー

  6. フェレットの犬歯破折

最近の記事

カテゴリー

アーカイブ
PAGE TOP