インコの腸結石

暑い日が続きますね。
こんな日には、冷たい水風呂とビールで身体を冷やしたい!と思いつつも、病院内のエアコンで十分に身体を冷やしてしまっています。

最近は裸足に近い間隔でジョギング、ウォーキングすることにしていて、ペラペラのサンダルで朝外に出るのですが、朝からなかなか蒸し暑いので汗だくになってしまっています。

さて今回は小鳥の腸結石手術について。

コザクラインコのモコちゃん。
突然何度も嘔吐し、具合が悪くなってしまったとのことで来院されました。
見てみると、全く便が出ていない様子。

レントゲン検査を行ったところ、モコちゃんの腸の中に白く光る異物が確認されました。

腹部に湾曲した白い塊がみえます

この白く見える影は「腸結石」。消化管の中で石のように硬くなった物質が詰まってしまい、便が出せなくなる病気で、鳥類では時折発生します。

この状態は、そのままだと命に関わることもある非常に危険です。腸が詰まると、栄養や水分が吸収できず、腸が壊死してしまいますし、何より小鳥の場合には急速に体力が低下していきますので、できる限り早期の手術が必要になります。
飼い主さんと相談し、当日緊急手術を行う事になりました。

麻酔をかけていきます
モコちゃん頑張れ!
結石を取り出している所

手術は無事に終わり、モコちゃんは術後も順調に回復してくれました。

取り出した結石がこちら


本人の体力が低下する前に手術ができたこともあり、術後比較的すぐにごはんを食べ、しっかり排便もできるようになってくれました。

小鳥の「排便が出ない」は緊急サインです。

今回のモコちゃんのように、「嘔吐」「食欲不振」「便が出ていない」といった症状は、腸閉塞など重大な病気のサインであることがあります。

腸結石になってしまった場合、基本的にはお薬では溶けません。詰まってしまった場合は手術で取り出すしかありません。
吐いてしまっても、すぐにご飯を食べ始めてきちんと便がでているならばこの病気の可能性は低いと思いますが、
もし、通常は出ているはずの便が全く床に落ちておらず、尿酸(白い排泄物です)だけが床にある場合には、緊急である可能性があります。

そんな場合には決してご自身で判断をせず、まずはご相談ください。


当院では、札幌市手稲区を拠点に、インコや文鳥、オカメインコ、セキセイインコなどの小鳥の診療に力を入れています。 嘔吐、食欲不振、排便の停止などの症状は、小鳥にとって命に関わる重大なサインであることがあります。 今回ご紹介したような腸結石をはじめ、小鳥の消化器疾患や生殖器疾患などに対応した検査・治療が可能です。 「札幌でエキゾチックアニマルに対応できる動物病院を探している」「小鳥を診てもらえる病院が見つからない」といった方は、ぜひ一度ご相談ください。 また、当院では獣医師、動物看護師、愛玩動物看護師を随時募集しています。小鳥やエキゾチックアニマルの診療に興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。

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