ここのところ暑い日が続き、いよいよ夏本番という感じになってまいりましたが、みなさまお元気にお過ごしでしょうか?
暑い日は炭酸水を飲んで心身ともにスッキリするのが日課になっている、獣医師の中村です。
うちのわんこも、お散歩の後は水入れの周りがビチョビチョになるほどの勢いで美味しそうに水を飲んでます。
さて、今回は多飲多尿についてのお話を。
みなさま、ご自身のペットが飲むお水の量、尿量について、普段どのくらい気にされてますか?
なかには、かなり正確に把握されている飼い主さんもいらっしゃるかもしれませんが、「そういえば、あんまり気にしたことないかも?」
という方も多いのではないでしょうか。
何となく飲水量も尿量もいつもより多い気がするけど、元気も食欲も変わらないし、と、意外と重要視されていない印象があります。
実際、多飲多尿のみを主訴に来院される飼い主さんはそれほど多くなく、問診を重ねていくと、そういえば、最近よくお水を飲んでます、おしっこの量が多いです、と言われることをしばしば経験します。
食べ物の水分量、気温、湿度、活動量などで、飲水量および尿量は変化するので、実はこれ以上なら病気、と言う明確な基準はないのですが、おおよその目安として、1日(24時間)あたりの飲水量が、体重1キロあたり
犬で90〜100ml、猫で50〜60mlを超えるようなら明らかに多飲といえるでしょう。
飲水量は、水入れにあらかじめ量をはかって入れ、例えば朝7時から翌朝7時までの24時間でどれだけお水が減っているか調べます。多頭飼いや自動給水など特殊な水入れでなければこの方法ではかれます。
一方、尿量をお家で量るのは困難ですが、
おもらしをする・トイレ以外の場所で排尿する、いつもより排尿にかかる時間が長い・回数が多い、尿の色が薄い、ペットシーツの尿の広がりが大きい、猫砂の塊が大きい、ということがあれば、多尿の可能性があります。
このように、多飲多尿になっていないかを判断するには、普段からの観察が必要です。1週間ほど毎日観察してみて、いつもだいたいこれくらい、という目安を持っておくといいでしょう。
一時的な多飲多尿であれば、ほとんどの場合は心配ないのですが、続くようであれば病気のサインかもしれません。
多飲多尿が見られる主な病気としては、糖尿病、副腎の異常、上皮小体の異常、甲状腺の異常、子宮蓄膿症、尿崩症、心因性、などがあります(一例なので、他にもあります!)。血液検査や尿検査でわかることも多いので、多飲多尿が続くようでしたら、ぜひご相談ください。
この記事を書いた人
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出産を機に仕事から離れていましたが、また獣医師として動物と関われることになり、嬉しさと同時に身の引き締まる思いです。
動物と飼い主様の両方に寄り添った診療ができるよう、努めて参りますので、よろしくお願いいたします。
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