地震によるペットへの影響

9月6日の地震で被災された方、心よりお悔み申し上げます。また道内まだ電力不足のため、本日から通常診療をしていますが、微力ながら節電に努めております。
さて、当院の被害状況は第一診察室のメインパソコンがお亡くなりになったり、冷蔵・冷凍薬品に被害が出たり、棚のものが落ちた程度でしたが、約2日間の停電により、6日と7日は通常診療はできませんでした。電話もつながりませんでしたが、午前のみ病院は開けていたところ、6日は5~6件、7日は10件ちょっとの患者さんが来院。
できない検査が多い中ではありますが、できる範囲内での対応をさせていただきました。また本日は獣医師会主催の『人とペットの暮らし広場』のお手伝いで休診予定でしたが、開催中止のため、午前のみ診療をしました。

地震という非日常に恐怖を感じるのは動物も同じです。
特にストレスを感じやすい代表ともいえる動物がオカメインコです。
『オカメパニック』と呼ばれるように、驚いて暴れてしまい、羽や足を骨折や出血を起こしてしまうことがあります。
今回の地震後、思ったより多くはありませんでしたが、やはり来院された子がいました。

そして犬や猫も、揺れに驚いて暗い中で走り出してぶつけて爪を折ってしまう、などの怪我が数件ありました。
このような来院の子にも止血、消毒、鎮痛薬の処方しかできませんでしたので、痛みが続いている場合、現在はレントゲン検査ができるようになりましたので、再度来院していただいた方がいいと思います。

また母猫のパニックによる育児放棄なのか、保護された子猫ちゃんが6匹ほど来院。IMG_0125
自力での哺乳もできないほど弱っており、3時間ごとに強制的にチューブでミルクを入れる治療を継続しています。
ミルクを入れても吐いてしまう子もいてまだ油断はできませんが、現在1匹は自力哺乳ができるようになり、他の子たちも何とか体重減少を食いとめています。

電気がないと出来ない事ばかりであることを改めて実感させられた今回の地震。
レントゲン、超音波、麻酔器や点滴、血液検査や顕微鏡、薬の分包機や会計ソフト・・・

何もできない中でも緊急の子の検査に役立ったのはコレ!

IMG_7469電池式の血液ガス測定の機械。
これで猫ちゃんの尿道閉塞の子の腎臓の数値を見ることができて助かりました。

今後も物流の回復によっては、薬品の不足等が心配されたり、飼い主さんにレントゲン画像が見せづらかったりという影響はありますが、ほぼ通常診療を行っていますので、6日7日にキャンセルとなってしまった方にはお手数ですが改めてお電話いただければと思います。

この記事を書いた人

獣医師 伊村晶子
皮膚科認定の資格取得に向けて勉強中。子供たちに命の大切さを伝える活動もしています。ポックル動物病院も私自身も、動物と飼い主様のお力になれるようずっと成長し続けていきたいと思います。

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