フェレットの犬歯破折

4月になり、狂犬病の予防注射のわんちゃんが来院される事が増えてきました。
予約がとれづらい状況となっていますので、ご来院の際にはお早めにお電話くださいね。

今回は、「歯が折れているみたいなんです。」と、来院されたフェレットのちまきちゃん。

見てみると、右上顎の犬歯が途中で折れており、歯髄(しずい)という歯の中心部が顔を出しています。
歯髄が露出している場合、放置してしまうと歯の内部に感染が進行していきます。
最終的には歯が抜けたり、骨が溶けていったりしますので、早期にきちんとした治療が必要となります。

ちまきちゃんは受傷してからすぐでしたので、歯を温存する治療を選択しました。

まずは歯の中心部、歯髄の部位を削ります。歯髄は特殊なコーティング材で保護(右の写真)。
その後は余計なコーティングを剥がし、歯科修復材が接着しやすくなる薬を塗布。
下準備をしっかりした上で、本命の修復材を乗せて形を整えます。
強い光に反応して硬化する修復材なので(左の写真)、固まるまでの時間はほとんどかかりません。

 IMG_2491

手術後はこのようにつるつるの歯に!
麻酔の影響ですこしぼんやりとしていましたが、無事その日に退院されました。

小動物の歯の治療は繊細ですが、わんちゃんねこちゃんと同じく、きちんとした治療を行っていけるようにこれからも努力していきます。

この記事を書いた人

院長 伊村啓
院長 伊村啓
動物病院は、飼い主様と一緒に、大切な家族である動物たちの幸せを考え、不安や苦しみを解消する場です。検査もただ行えば良いという訳ではありませんので、必要な理由をきちんとご説明した上で進めていきます。筋道を立て、とにかく分かりやすく説明する事には特に力を入れています。

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