ハムスター福太郎くんの闘い

今日の患者さん紹介は、ハムスターの福太郎くん。ふわっふわの白い毛に、ぽちゃり体型の福太郎君はとってもキュートで、人の手によく馴れています。1歳1カ月の福太郎くん、今回の来院は手にできた腫瘤がこの1か月で大きくなってしまったとのことでした。

左手の前腕部に直径7mmほどの腫瘤をかかえた福太郎くんでしたが、元気に動きまわり、食欲もありました。
しかし放っておけば、腫瘤は大きくなり続け、生活にも支障がでかねません。針を刺しての検査で腫瘍性病変が疑われたため、麻酔をかけて取ることに。
before ope
腫瘤は手術の日には自壊した状態でしたが、深いところまでは到達しておらず、電気メスで処理しながら切除。
その後皮膚を縫合するのですが、手の先端の皮膚は伸びづらく、近くの皮膚にメッシュを入れる形で皮膚を寄せることができました。
しかし、皮膚が一部くっつかなかったため、新しい皮膚が形成されるまで福太郎くんにはエリザベスカラーをつけてもらうことに。
飼い主様のご協力もあり、約3週間できれいな皮膚になりました。after ope

ハムスターの腫瘍性病変で来院される患者さんは多く、特に1歳を過ぎるとよく見られます。
腫瘍といってもできる場所や種類や年齢・状態によって、すべてが手術でとれるわけではありません。
しかし早期発見、早期治療によって、その子の寿命が変わってくることも。ハムスターにとっての1日は、人間にとってのおおよそ1カ月に相当します。
少しでもおかしいな、と気がついたら、早めに病院を受診してくださいね!

この記事を書いた人

獣医師 伊村晶子
皮膚科認定の資格取得に向けて勉強中。子供たちに命の大切さを伝える活動もしています。ポックル動物病院も私自身も、動物と飼い主様のお力になれるようずっと成長し続けていきたいと思います。

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