デグーの低血糖・蘇生処置

来週は、日曜日・月曜日と休診を頂き、学会に参加させていただきます。
朝晩かなり冷え込む日もでてきましたが、きっと東京は暖かいんでしょうね。寒暖差で風邪を引かないように頑張ります。
ところで寒い日には、特に小さな動物が具合を崩さないかどうか、しっかりと見てあげる必要がありますよね。
朝からぐったりしている、と来院されたデグーのふくちゃん。
来院時にはぎりぎり呼吸をしている様子、心拍もかなり遅く、低体温となっていました。

来院後、すぐに骨の中に針を入れて(骨髄留置)、点滴を開始します。採血したところ、重度の低血糖でしたので糖液を点滴に追加していきます。
呼吸をサポートするお薬、心拍を上昇させるお薬、保温、酸素化。
その後はICUに移動して点滴を継続していきます。
その翌日、見事ふくちゃんは回復。
朝ご飯もきちんと食べてくれたため、無事退院できました。

デグーに限らず、げっ歯類はぱっと見痩せてきているかどうか分からない事が多くあります。
痩せていると、ちょっとした温度変化や環境の変化に対応できず、急激な低体温や低血糖になってしまう事もしばしば。
残念ながら、来院された時にはすでに手遅れであるケースもあります。
小さな動物を飼育する際には、その動物にとって適切な温度・環境になっているか常に気をつけるようにしてください。
さて、ふくちゃんは再診時にはとっても元気な姿をみせてくれました。飼い主さんも一生懸命看病してくれ、しっかりと体重も増えてくれていました。
これからは元気に何事もなく、育っていって下さいね。

この記事を書いた人

院長 伊村啓
院長 伊村啓
動物病院は、飼い主様と一緒に、大切な家族である動物たちの幸せを考え、不安や苦しみを解消する場です。検査もただ行えば良いという訳ではありませんので、必要な理由をきちんとご説明した上で進めていきます。筋道を立て、とにかく分かりやすく説明する事には特に力を入れています。

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