カメレオンの卵胞うっ滞手術

今日紹介するのはカメレオンのぐりちゃん。
実は他の病院さんで、内科治療はずっと受けていたのですが、どんどん食欲がなくなり外科手術が必要だと判断され当院を受診されました。
レントゲンを撮ってみると、小さな丸い塊がたくさんお腹の中にあるのが見られました(写真)。
カメレオンは卵づまりや卵巣の病気が非常に多い動物です。
根本的な治療としては外科手術を行うしかありません。
ぐりちゃんは卵管に入る前の段階で卵が停滞してしまっている状態(卵胞うっ滞)が疑われたため、外科手術を実施することにしました。
ところが、ここからが大変。
実はぐりちゃん、麻酔が効きづらい体質だったのです。
通常当院で用いている吸入ガス麻酔では十分に麻酔をかけることができず、2回手術を中止せざるを得ませんでした。
そこで3回目。吸入ガス麻酔薬だけでなく、麻酔薬の筋肉への注射と、骨髄内へ麻酔薬を持続投与してようやく十分な麻酔をかけることができました。DSCF8030
手術時の画像がこちらです。この画像に写っている分だけで片側の卵胞です。
左腹部から、両側の卵胞を切除していきます。DSCF8034
両方の卵胞を合わせますと、右下の写真の量になります。
ぐりちゃんの体重は220グラムだったのですが、術後の体重は180グラムまで下がりました。
これだけのものがお腹の中にあったことで、食欲が低下していたと考えられます。
手術後の覚醒は非常に良好で、翌日帰宅したのですが、すぐにご飯を食べるようになったとの事でした。DSCF8037
麻酔がなかなか十分にかからず苦労しましたが、元気になった姿を見ると本当にうれしく思いますね。

この記事を書いた人

院長 伊村啓
院長 伊村啓
動物病院は、飼い主様と一緒に、大切な家族である動物たちの幸せを考え、不安や苦しみを解消する場です。検査もただ行えば良いという訳ではありませんので、必要な理由をきちんとご説明した上で進めていきます。筋道を立て、とにかく分かりやすく説明する事には特に力を入れています。

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