うさぎの血尿、ひょっとしたら子宮の病気かも?

うさぎが血尿をしています。
というご相談をされることが、しばしばあります。

うさぎでは、食べたものの色素が尿に混じる事で赤く見える事があります(色素尿)。
その場合は病気ではないので健康面に問題ありません。

しかし、本当に血液が混じっている場合と肉眼で見分けるのが難しいこともあり、一般的には尿検査が必要です。
その中でも、女の子が血尿を起こしている場合には注意が必要。
特に高齢の場合には、子宮に腫瘍などがあり出血を起こしている可能性が高いからです。

写真のころちゃんも血尿症状を起こしている、と来院されたうさぎさん。 おなかを触ってみたところ、子宮と思われる位置にしこりが触れました。
またレントゲン検査・超音波検査を追加で行ったところ、子宮が一部腫大している事が判明しました(右画像)。

P1300332このまま待っていると出血が続き、命に関わる場合もあるため手術を行う事となりました。

開腹すると、子宮の一部が明らかに腫れていたため(写真)、卵巣と子宮の摘出を行いました。
病理組織検査結果は、「子宮内膜の嚢胞状過形成」。幸い、悪性の腫瘍(癌)ではなかったため一安心です。
悪性の腫瘍だった場合には、肺に転移するケースもあるため、早期に手術を行う事が大切。rabbit uterus hyperplasia
高齢になると女の子うさぎの7割近くが子宮の疾患を発症してしまうので、避妊手術を行うのが最も優れた予防となります。

ころちゃんは、手術後は出血も止まり、元気に生活できている様子。
これからも末永く、元気なころちゃんでいてくださいね!

この記事を書いた人

院長 伊村啓
院長 伊村啓
動物病院は、飼い主様と一緒に、大切な家族である動物たちの幸せを考え、不安や苦しみを解消する場です。検査もただ行えば良いという訳ではありませんので、必要な理由をきちんとご説明した上で進めていきます。筋道を立て、とにかく分かりやすく説明する事には特に力を入れています。

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