あなたのペットはどこで産まれたか知っていますか?

こんな本に出会いました。
獣医師として、知らなかった事を恥じなければならない内容でした。
いえ、何となく知ってはいながら、真剣に向かい合ってこなかったテーマです。

2013年出版なので少し古いデータですが、2011年に自治体で殺処分となった犬の数は4万4783頭。平日毎日200頭の犬が人の手で殺されている…というショッキングな事実から本は始まります。

・蛇口となる生産者、そして受け皿となる自治体の現状
・日本の犬流通にかかせないオークションシステムの現実(この話が一番驚きました)
・幼い子犬を母親から引き離すことで起きる問題行動や精神疾患
・殺処分は二酸化炭素室による窒息死(安楽殺ではない)
・保護犬の98%が新しい飼い主に引き取られるドイツ

読み進めるほどに、法律上でも犬をモノとしてしか扱わない…日本人、最低じゃん!!という思いが込み上げてきます。
日本は動物愛護後進国と言われています。
飼い主、獣医師などの犬と関わる人々がまずは賢くならなければ!

考えてみれば、肉でも野菜でもトレーサビリティ(生産者や流通ルート)が確保されているのに、ペットはわからない、なんておかしな話ですよね。『親情報や育った環境、そして遺伝的疾患など、情報公開している所から買いたい』という飼い主が増えれば、日本のペット流通は変わっていくのではないでしょうか。

来週からバーニーズとの生活が始まる私達ですが、一段と責任感を持たなければと背筋の伸びる思いです。また動物病院としてできる事を改めて考え、本当の意味で『動物に優しい』病院にしていきたいと思いました。
なおこの本も、ポックル動物病院の待合室ライブラリーに置く予定ですのでぜひご覧ください。

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